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「群れで飛ぶドローン」をどう運用するか──多数機同時運航とスウォーム技術、安全ルールの現在地

ドローンといえば、操縦者が一機ずつコントローラーで操る姿を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし近年は、複数の機体を同時に飛ばし、効率や信頼性を高める「多数機同時運航」への関心が高まっています。背景には自律制御やAI技術の進歩があり、軍事から民間まで応用の幅が一気に広がろうとしています。

この記事では、話題の「ドローンスウォーム(群飛行)」技術の現在地と、それを支える国内の安全ルールの整備状況を整理します。これから国家資格の取得や事業活用を検討する方が、次の一手を考えるヒントになれば幸いです。

そもそも「スウォーム」とは何か

スウォームとは、複数の機体が生物の群れのように連携し、自律的に行動する仕組みを指します9。従来は操縦者が一機ずつ遠隔操作するのが基本でしたが、AIを搭載することで、隊列の維持や衝突回避といった判断を機体同士が協調して行えるようになります9

その結果、一人のオペレーターが多数の機体をまとめて運用できるようになります。仮に一部が故障・脱落しても、残りの機体が任務を継続できる点が大きな強みです9。「一機一操縦者」という制約を超える発想だといえます。

戦場で実証された技術と、民間への波及

こうした技術は、すでに実戦の場でも投入されています。2025年、ウクライナはAIを搭載したドローンスウォームを本格的に運用し、AIが編隊制御を担うことで一人のオペレーターが多数機を同時に指揮できる体制を実現したと報じられています9。小型・安価な機体を多数投入する手法は、被害を抑えやすくコスト面でも合理的とされます9

一方で、AIが攻撃判断を行うことへの倫理的な問題や、電波妨害下での通信・識別精度といった技術的課題も指摘されています9

注目したいのは、戦場で磨かれた技術が民間へ応用される可能性です。具体的には、多数の機体で被災地を探索して生存者発見を早める災害救助、橋や送電線を同時に調べるインフラ点検、群体飛行による物流や警備などが現実的な応用先として挙げられています9。日本では軍事利用に制約がある一方、防災やインフラ点検での活用が有望と見られています9

国内の制度整備──「多数機同時運航ガイドライン」

複数機を安全に飛ばすには、ルールの裏付けが欠かせません。国土交通省は「無人航空機の多数機同時運航を安全に行うためのガイドライン(第二版)」を公開しています10。技術の進展に合わせて、安全運航の考え方を示す動きが国内でも進んでいることがわかります。

ただし、複数機運用が広がっても、ドローン飛行の基本ルールが免除されるわけではありません。たとえば災害発生地域では、捜索・救難にあたる有人ヘリコプターなどの活動を妨げないよう、「緊急用務空域」が指定されると無人航空機の飛行は禁止されます10。実際に2026年も、林野火災や災害対応にともなう緊急用務空域の指定・解除が各地で繰り返されています10。飛行前には、緊急用務空域の指定の有無を必ず事前確認することが求められます10。多数の機体を扱うほど、こうした確認の徹底はいっそう重要になります。

制度の節目と、これからの空

2015年12月の航空法改正でドローンが明確なルールのもとで飛び始めてから、節目の時期を迎えています8。2022年12月に始まった国家ライセンス制度の現状や、有人地帯上空での補助者なし目視外飛行を指す「レベル4飛行」の拡大など、制度の方向性が業界の関心を集めています8。市場規模は3000億円を超え、2028年には9000億円に達するとの予測も紹介されています8

レベル4飛行の拡大、機体認証制度の整備、AI技術との融合、有人機・無人機の協調運航といったテーマは、いずれも複数機を安全に運用する未来とつながっています8。群れで飛ぶドローンが社会インフラを支える日は、技術だけでなく制度と運用ルールが両輪でそろって初めて実現します。

まとめ

スウォーム技術は効率と信頼性を両立させる可能性を持つ一方、安全と制度の整備が前提条件になります。多数機同時運航のガイドラインや緊急用務空域の確認は、複数機を扱う実務者ほど避けて通れません。

技術の進化に振り回されず、基本ルールを正しく押さえたうえで新しい運用に踏み出すこと──それがこれからのドローン人材に求められる姿勢だと考えます。西濃ドローンアカデミーでは、国家資格の取得支援とあわせて、安全運航の基礎から実務に役立つ知識まで丁寧にお伝えしています。次の空の使い方を、一緒に考えていきましょう。

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