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元肥をドローンで撒くには?直播で施肥と播種を分ける理由と散布量の目安

稲の直播(じかまき)で「元肥はドローン、播種は専用機」と作業を分ける方式が、現場で定着しつつあります。結論から言えば、肥料を金属の播種機でまくと機械が腐食して寿命が縮むため、施肥だけをドローンに任せ、機械を長く使うという実務的な判断が背景にあります。この記事では、直播での元肥散布の実際と、散布量・作業設計の考え方を、農業ドローンの導入を検討する方に向けて整理します。

なぜ施肥と播種を「分ける」のか

山口県で収穫・乾燥調製まで一貫して受託するコントラクターのTAS(Total Agricultural Support)は、中古農機の整備・販売をルーツに持つ事業者です1。同社がドローン直播を始めたきっかけは、かつて普及したDJI MG-1で除草剤が撒けるなら米の種も撒けるのでは、という発想だったといいます1。

注目したいのは、乾田直播で使うスリップローラーシーダーに、あえて肥料をまく機構を付けていない点です1。理由はシンプルで、肥料によって金属部が腐食し、耐用年数が7〜8年に落ちてしまうのを避けるため1。機体を軽くできる利点もあり、「一度買ったら15〜20年使いたい」という機械屋ならではの発想が、施肥をドローンに任せる役割分担につながっています1。

これは単なる効率化の話ではありません。高価な農機を長く使い切るために、腐食リスクのある作業を別の機械(ドローン)に切り出す、という設備投資の考え方です。導入機種を検討する際の視点としても参考になります。

ドローンで元肥を撒く実際と、播種の設計

具体的な事例を見てみましょう。品種は「恋の予感」、播種日は5月20日、播種量は反あたり約4kg、条間は20cm四方という設計です1。元肥はDJI T50で反あたり約40kgを散布しており、基本は播種前に施肥する方針がとられています1。施肥はドローン、播種はシーダー、と機械の役割をはっきり分けているわけです1。

散布量の感覚として重要なのは、広い圃場ほどドローンが効くという点です。同社は「1枚10分」「3時間で全部こなせる」といった規模感で作業しており、逆に5アール規模の小さな中山間の圃場に無理に直播するのはナンセンスだと結論づけています1。小区画は移植で管理し、広い圃場ほど直播、という使い分けが最終的に手間と効率で有利という判断です1。

つまり「元肥をドローンで撒くか」は、圃場の広さと作業全体の組み立て次第ということになります。手持ちの圃場が分散して小さいなら、ドローンの真価は出にくい点に注意が必要です。

防除も「大量散布」へ — 選択肢が広がる機体

施肥だけでなく、防除の散布量についても機体の進化が選択肢を広げています。茨城県でネギを約3ヘクタール栽培する生産者は、これまで動噴(軽トラにタンクを積みホースを引く方式)で夏場は週1回の散布を続け、夜遅くまでかかることもあったといいます2。

従来、ドローンは少量散布が前提で、ネギのように薬液をしっかりかけたい作物には水量不足で効果が薄いと見られていました2。しかしDJI T70Pのような機体では、100〜150L/ha級の大量散布に対応できるケースが増え、動噴に近い「びしょびしょにかける」散布が視野に入ってきています2。送信機側で液滴の粒の大きさを変えられるため、作物に応じた調整もしやすくなっています2。

ここでも「施肥はドローン、防除もドローン、ただし散布量は作物で変える」という、作業ごとの最適化の発想が共通しています。

制度とコストが後押しする

散布のドローン化を支えているのが制度面の整理です。数年前の農薬取締法の改定により、農薬に「無人航空機」の登録がなくても、ラベルに「散布」の記載があれば、指定の希釈倍率と10aあたりの使用量を守ることでドローン散布が可能になりました2。例えば1000倍で100L/haといった形で、倍率と使用量を守れば運用できます2。使う薬剤の登録内容は必ず事前に確認してください。

コスト面でも、スマート農機の導入負担を軽くする動きがあります。マゼックスが扱う自動草刈りロボット「Taurus80E(第二世代)」は、環境省の「農業機械の電動化促進事業」の補助対象として正式登録されました3。一定条件を満たせば補助制度を使って導入できる選択肢が加わった形で、電動・自動化機械の導入コストの高さという課題への対応策になります3。施肥・防除・除草といった重労働を機械に切り出していくうえで、こうした支援制度の活用も検討材料になるでしょう。

まとめ

直播での「施肥はドローン、播種は専用機」という役割分担は、機械を長く使うための合理的な判断から生まれた現場の工夫でした1。散布量を作物に合わせて変えられる機体の登場2や、農薬取締法の整理2、電動農機への補助制度3も、作業ごとにドローンや自動機械を使い分ける流れを後押ししています。大切なのは、機種のスペックだけでなく、自分の圃場規模と作業全体の組み立ての中でドローンをどう位置づけるかという視点です。

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情報リソース

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