Antigravity A1のFollow Meとは?ゴーグルなしで360度を追尾撮影する操作を解説
「空撮をやってみたいが、プロポ(送信機)のスティック操作が難しそう」「ゴーグルをかぶって飛ばすのは不安」——映像制作に興味を持つ人から、こうした声をよく聞きます。結論から言えば、2026年秋の新製品では、スティックもゴーグルも使わずに空撮できる「操作スタイルそのものの選択肢」が広がりました。この記事では、追尾撮影に特化した新しい操作系と、手持ち機材との使い分けを、映像で仕事をしたい人・趣味で高品質な映像を残したい人の目線で整理します。
なお本記事で扱う機体の飛行自体は、重量や飛ばす場所によって機体登録や飛行許可・承認の対象になります。「操作が簡単=ルールが不要」ではない点だけ、先にお断りしておきます。
「スティックを握らない空撮」という選択肢
空撮の最初のハードルは、多くの場合「操縦」です。従来の追尾ドローンでも、被写体である自分を正面から撮るには、機体を後ろ向きに飛ばしてカメラをこちらへ向ける必要があり、進行方向の障害物に注意しながら構図まで決めるのは慣れが要りました3。
ここに一石を投じたのが、Antigravity が A1 向けに発売した「Follow Me」です。A1 は周囲を8Kの360度映像で丸ごと記録する機体で、「ディープトラック」と呼ぶ機能で被写体を自動追尾します3。注目したいのは付属するコントローラーで、腕時計型(ウォッチ)とリング型の2つが用意され、ゴーグルを装着しなくても操作できます3。
ウォッチ型はタッチ操作で機体の位置や被写体との距離を調整でき、自動飛行もすぐ起動できます。さらにウォッチ型とリング型を組み合わせると、手の動きで機体を直感的に動かす「Drag-to-Fly(ドラッグして飛行)」が使えます3。見えない糸で機体とつながっているような感覚で構図を変えられる、という設計思想です。これは「操縦技術を鍛える」のではなく「操縦という工程そのものを減らす」発想で、空撮の入り口を大きく下げる試みだと筆者は受け止めています。
「360度で丸ごと撮る」強みと、後処理の自由度
A1 の面白さは、撮影時に構図を決めきらなくてよい点にあります。前方へ飛ばして目視で安全を確かめながら、後方にいる自分も同時に撮れる。全方位を記録しているので、自分を追うカットにも、周囲の景色を見せるカットにも、撮影後に仕上げられます3。「撮る瞬間の手軽さ」と「編集時の選びやすさ」を両立させているわけです。
追尾の安定性にも工夫があります。A1 のビジュアルトラッキング(映像による追尾)に、ウォッチ型コントローラー内蔵のGNSS(全球測位衛星システム。GPSを含む測位の総称)を組み合わせることで、被写体が物陰に一瞬隠れる場面でも追尾を続けやすくしているとされます3。登山やハイキングのように、被写体が木々の間を動くシーンを想定した設計と言えます。
「手軽さ」と「作り込み」は別ラインで用意されている
一方で、細かく飛ばしたいプロ層のニーズも切り捨てられていません。Antigravity は同時に、従来どおりのデュアルスティック操作に対応した「リモコン」も発売しました。Vision ゴーグルで360度の景色を見渡す没入感と、スティックによる精密な操作を組み合わせる構成です3。機体の進行方向とゴーグル内の視点を連動させる「固定ビュー」や、カメラアングルを細かく追い込める「バーチャルジンバル」も備えます3。
価格は目的で大きく分かれます。ドローン本体込みで見ると、手軽さ重視の「Follow Me キット」が税込115,900円、スティック操作の「リモコン セット」が税込263,900円です。すでに A1 本体を持っている人向けに、アクセサリー単体(Follow Me アクセサリーキット税込57,000円、リモコン アクセサリーセット税込135,000円)も用意されています3。「まず追尾で気軽に始め、後からスティック操作を足す」といった段階的な導入ができる構成で、入門者とプロの両方に間口を開いている点は好感が持てます。CEOのマイケル・シャブン氏は、A1 を家族やアクティビティの思い出を残す追尾ドローンへと進化させる狙いを語っています3。
「飛ばさない」という選択肢——手持ちジンバルとの使い分け
映像を残す手段は、空だけではありません。地上で確実に高品質な絵を撮るなら、手持ちのジンバルカメラも有力です。DJI の Osmo Pocket 4P は、約230gの小型ボディにデュアルレンズを搭載し、20mmの広角(開放F値f/2.0)と60mmの中望遠(開放F値f/1.8、被写界深度はf/6.3相当)を使い分けられます12。1インチCMOSセンサーと17ストップのダイナミックレンジ、10-bit D-Log 2カラーに対応し、明暗差の大きい場面でも階調を残しやすいとされます2。最大4K/240fpsのスローモーションや最大37MPの静止画、被写体を追い続けるActiveTrack 8.0にも対応します12。2026年10月には新色パールホワイトも加わり、機材選びの幅が広がりました1。
実用面で見逃せないのが運用の軽さで、1回の充電で最大210分駆動し、わずか18分で残量0%から80%まで充電できます2。つまり、空から俯瞰で見せたい画は360度追尾ドローンで、人物のアップや手元のディテールは手持ちジンバルで、と役割分担する発想が現実的です。両方を一度に揃える必要はなく、撮りたい映像から逆算して機材を選ぶのが、無駄のない始め方だと筆者は考えます。
まとめ:操作の手軽さが増すほど、ルールの理解が差になる
今回の新製品群に共通するのは、「操縦の難しさ」という参入障壁を下げ、映像表現に集中させようとする流れです。ゴーグルなしで追尾撮影ができ、必要ならスティック操作も選べる——この柔軟さは、空撮を仕事や趣味にしたい人にとって追い風でしょう。
ただし、操作が簡単になることと、法令や安全管理が不要になることは別物です。機体の重量や飛行場所によっては機体登録・飛行許可が必要になり、人や建物の近くでの飛行には相応の配慮が求められます。手軽さが広がるほど、ルールを正しく理解している人ほど安心して現場で活躍できる、というのが筆者の実感です。
空撮を含めドローンを仕事につなげたいと考える方は、国家資格の取得を通じて飛行ルールと安全運航の知識を体系的に身につけておくと、機材の実力を安心して引き出せます。ドローンの国家資格取得をお考えの方は、西濃ドローンアカデミー(https://license.seino-drone.com?utm_source=blog&utm_medium=organic)の講座情報もあわせてご覧ください。
情報リソース
- DRONE.jp/おしゃれはカメラから。持つだけで気分がアガる、デュアルカメラ「DJI Osmo Pocket 4P」待望の新色パールホワイトが登場![Reviews]Vol.107 — 取得日: 2026-10-21
- DRONE.jp/DJI、デュアルレンズジンバルカメラ「Osmo Pocket 4P」に新色パールホワイト発売 — 取得日: 2026-10-21
- DRONE.jp/Antigravity、A1向け「Follow Me」と「リモコン」を発売。新たな操作スタイル、より安心な追跡撮影を実現 — 取得日: 2026-10-21
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