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圃場の均平化とは?GPSレベラーで水稲の水没・欠株を減らす

「田んぼに水を張ったら、苗が水没する場所と顔を出す場所ができてしまう」——水稲づくりで多くの人が悩むこの問題の根っこには、圃場(田んぼ)の高低差があります。結論から言えば、直播やドローン防除の効果を安定させたいなら、まず田んぼの表面をできるだけ平らにする「均平化」に投資する価値があります。近年はGPSとRTK(センチメートル級の高精度測位)で自動制御するレベラーが登場し、経験の浅い人でも田んぼをならせるようになってきました1。この記事では、均平化がなぜ水稲の成否を左右するのか、そして直播・ドローン散布とどうつながるのかを、実務目線で整理します。

高低差が「水没」と「欠株」を生む

田んぼに凹凸があると、湛水したときに低い部分は水が深くなりすぎ、苗が水没して枯れてしまいます。逆に高い部分は水が回らず、雑草が出やすくなります。丹波篠山市で95ヘクタール(水稲約65ha、黒大豆約25ha)を手がける農場では、移植した苗が水没して枯死する問題が実際に多発しており、これを減らすことが収量向上の鍵だと認識されていました1

この高低差は、栽培方法によっても生まれます。同じ農場では黒大豆の畝立てで土を大きく動かすため、田んぼに戻したときの凹凸が大きくなりやすいといいます1。代かきの技術を磨くだけでは限界があり、機械的に土をならす手段が必要になる、というのが現場の実感です。

GPSレベラーは何をしてくれるのか

ソース事例で使われていたのは、CHCNAVの「IC100」というGPSレベラーシステムです。65馬力のトラクター(ヤンマーYT465)に作業幅2.4mのグレーダー(タカキタ製)を付け、RTKで位置と高さを測りながら土を引いていく構成です1

特徴的なのは、画面に田んぼの高低が色で表示される点です。基準の高さ(0)を緑、それより高い場所を赤、低い場所を青で示し、どこを削ってどこに土を運べばよいかが一目で分かります。表示範囲はプラス10からマイナス10まで。走行は時速5〜6km程度、エンジン回転は約2300回転で、乾いた田んぼなら余裕をもって作業できるとされています1。三脚を立てずに機体へアンテナを取り付ける方式のため、準備の手間が少ないのも利点です1

運用面のコツとして、まず外周を一周して全体の高低を把握し、高い所の土を低い所へ運び、最後に仕上げで走り回るという流れが紹介されています。稲株が高さデータを拾ってしまうため、できるだけ土だけの状態で作業するのが望ましいとのことです1

「冬の仕事」と機械の使い回しという経営視点

均平化は、経営面でも見どころがあります。田んぼをならす作業は稲作の閑散期である冬に行えるため、従業員(この農場ではファーム部門7〜8人)の仕事を確保する手段にもなります1。さらに、グレーダーをハロー(代かき用の作業機)に付け替えれば、代かきの仕上げにも同じ仕組みを流用できます。自動操舵と高さ調整を組み合わせれば、代かきをしながら均平を整えることも想定されています1

トラクター側の対応も広がっています。基本はレーザーカプラー付き(ヤンマーの4シリーズ以降が搭載)が前提ですが、それを持たない3シリーズでも変換部品で同等の作業ができるようになったとされ、小型トラクターでも導入の余地が出てきました1。導入を検討するなら、手持ちの機械が対応するかを最初に確認しておくと安心です。

均平化は「撒いた後」の効果にも効く

均平化のメリットは、田植えや直播の段階にとどまりません。水位が安定すると、その後のドローン除草剤散布の効果も高まります。除草剤は水を張って効かせるタイプが多く、深すぎ・浅すぎのムラは効きムラや薬害につながるからです。

ドローン散布の実務では、直播水稲の田んぼ(約3000㎡)で除草剤「ノブレクト」を、DJI T25という中型機で散布した事例があります。設定は10aあたり25L、飛散(ドリフト)を抑えるため液滴サイズは大きめ、飛行速度は時速8km程度、作物からの高さは2mが目安とされています2。ここで重要なのが農薬登録の確認です。同じ薬剤でも移植水稲と直播水稲で使用条件が異なるため、必ず登録内容を確認してから使う必要があります2。均平が取れた田んぼほど水管理が読みやすく、こうした散布の適期判断もしやすくなります。

均平化で水位を揃える「撒く前」の工夫と、登録・設定を守る「撒く後」の丁寧さ。この両輪がそろって初めて、水没や欠株、効きムラといった失敗を減らせます12

まとめ

田んぼの高低差は、水没・欠株・雑草といった目に見える不調の背後にある共通の原因です。GPSレベラーは、その凹凸を数値と色で「見える化」し、経験に頼らずならせる道具として実用段階に入りつつあります1。そして均平化は、直播やドローン除草剤散布といった省力技術の効果を底上げする土台にもなります12

新しい機械や技術を現場に定着させるには、水管理・農薬登録・機体の設定といった基礎を体系的に理解しておくことが近道です。西濃ドローンアカデミーでも、農業でドローンを安全・的確に使いこなすための学びをお手伝いしています。

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