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Green UASとBlue UASとは?ドローン調達で問われる「信頼性」の基準

「どのドローンを選べばいいのか」と問われたとき、これまでは飛行時間やカメラ性能を比べれば答えが出ました。しかし今、その物差しが変わりつつあります。結論から言えば、これからのドローン選定では「誰が作り、どんな部品を使い、データをどう守るのか」という信頼性が、性能と同じかそれ以上に重視される時代に入っています1。とくに自治体やインフラ事業者が機体を調達する現場では、この視点が避けて通れなくなってきました。

本記事では、米国で整備が進む「Blue UAS」「Green UAS」という信頼性の枠組みを手がかりに、日本の実務者や受講検討者が「機体をどう見極めるか」を考えてみます。

「性能競争」から「信頼性競争」への転換

まず押さえておきたいのが、米国で使われる二つの制度です。ひとつは「Blue UAS」。これは防衛・政府機関が安心して調達・運用できるドローンかどうかを評価する仕組みで、飛行性能だけでなく、サイバーセキュリティ対策、暗号化、部品の製造国、サプライチェーンの透明性、安全なソフトウェア更新まで幅広く確認されます1。当初は米国防総省のDIU(国防イノベーションユニット)が整備し、現在はDCMA(国防契約管理局)へ運営を移す方向で再編が進んでいます1

もうひとつが「Green UAS」です。こちらは電力会社、建設会社、自治体、警察、消防といった民間・公共分野を対象に、製品のセキュリティやサプライチェーンのリスク管理を中心に評価するもので、業界団体のAUVSIが整備しました1。注目すべきは、2025年にGreen UASがBlue UASへつながる正式な評価ルートとして位置づけられた点です1。民生市場で信頼性を高めた製品や企業を、防衛分野へ発展させるという産業戦略の表れといえます1

ここで大切なのは、これが「軍事だけの話」ではないということです。送電線点検やダム監視のような現場でも、取得した映像が安全に保管されるか、通信が乗っ取られないか、部品がどこの国で作られているか、といった課題は共通して存在します1。ドローンはカメラやAIコンピュータ、通信モジュールを載せた「飛ぶIT機器」でもあり、そこにデータとセキュリティの問題が必ずついて回るためです1

民生インフラの現場でも「安心して任せられるか」が問われる

この信頼性という視点は、日本の現場でも具体的な形で現れ始めています。

たとえば下水道点検です。青森県八戸市では、テレビカメラ車が走行できない高水位の管路に対し、屋内点検用ドローン「ELIOS 3」を使い、作業員が内部へ立ち入ることなく約500〜600mの区間を調査しました2。内径2,000mm、水深約1,000mmという厳しい環境でも安全に重点調査を完遂できた一方、バッテリーによる飛行時間の制約や、寒冷地でのレンズの結露といった運用上の課題も明らかになっています2。ここで問われるのは、単に飛べるかどうかではなく、危険な現場を人に代わって安定して任せられるか、という信頼性そのものです。

道路インフラの分野でも同様です。首都高速道路など4社は2026年3月、垂直離着陸型固定翼ドローン(VTOL)やマルチコプター、ドローンポート、パトロールカー、ウェアラブルカメラといった複数の機器の映像を、遠隔地からリアルタイムで一元管理する実証を行いました4。この取り組みは国土交通省のSBIRフェーズ3基金事業に採択されたもので、上空からの広域把握と地上での現場対応をつなぐことをめざしています4。多くの機器とデータを束ねて運用するほど、通信の安全性や運航管理の仕組みが重要になってくるのは自然な流れです。

「国産で作れること」もまた信頼性の一部

信頼性の議論は、部品をどこで調達するかという問題にも直結します。海外製部品への依存は、供給の途絶やセキュリティ面のリスクにつながりかねないからです。

海洋分野では、UMIAILEが福島県の「地域復興実用化開発等促進事業費補助金」に採択され、自律小型無人ボート(ASV)の基幹部品の国産化に取り組むと2026年8月に発表しました3。船体や制御基盤、推進機、電力供給システムを国産で開発し、福島県浜通り地域で製造・供給体制を築くことで、海外製部品への依存を下げ、国産サプライチェーンを強くすることをめざしています3。空だけでなく水上のロボットでも、同じ「作れる国であること」への意識が広がっているといえます。

こうした国産化の動きは、防衛と民生を切り離さずに考える潮流とも重なります。実際、7月にはBlue UAS対応を支援する研究所「Blue UAS Laboratory Kawachi(BULK)」の設立が発表され、日本企業がこの信頼性の枠組みに正面から向き合い始めたことを示しています1

受講検討者・実務者は何を見ればよいか

では、現場でドローンを導入・運用する立場から、この動きをどう受け止めればよいのでしょうか。

私見ですが、機体を選ぶときのチェックポイントに「信頼性」を加えることをおすすめします。具体的には、部品やソフトウェアの供給が継続するか、データの保存・通信が安全か、故障時のサポート体制が整っているか、といった観点です。これらは制度の名前を覚えることが目的ではなく、「トラブルが起きても業務を止めない」ための実務的な備えにつながります。

また、複数の機器やデータを扱う運用が増えるほど、操縦技術だけでなく、運航管理やオペレーションの設計力が問われます4。人が入れない下水道や、広域の道路点検のように「人を危険にさらさない」ことが導入の動機になる現場では、機体を安全に運用できる知識と手順の裏付けが、そのまま信頼につながります24

まとめ

ドローンの評価軸は、より速く・より長くといった性能から、「安心して社会で使えるか」という信頼性へと重心を移しつつあります1。下水道や道路の点検現場、そして国産化への取り組みは、その変化が日本でも現実に進んでいることを示しています234

信頼して任せられるドローン運用は、機体の仕様だけで決まるものではなく、それを扱う人の知識と運航の設計によって支えられます。西濃ドローンアカデミーでは、法令やデータの扱いを含めた実務的な学びを通じて、こうした「信頼される運用者」への一歩を後押ししています。

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