ドローン2等の学科試験に受かった後は?身体検査・合格証明書・DIPS申請の流れ

「学科試験に合格すれば、あとは免許が届くのを待つだけ」——そう考えていると、実は最後に地味な壁が待っています。ドローンの国家資格(無人航空機操縦者技能証明)は、学科試験の合格後に身体検査・合格証明書の発行・DIPSでの新規交付申請という一連の事務手続きを、受験者自身が進めなければなりません。この記事では、2等の経験者ルートで資格取得を目指す社会人・事業者に向けて、合格後の流れと「つまずきやすいポイント」を整理します。
まず知っておきたい:学科試験はCBT形式
2等の学科試験は、紙ではなくパソコン画面で解答するCBT(Computer Based Testing)で行われます。全国200カ所を超えるプロメトリックの試験会場から、空いている枠を予約して受験する仕組みです1。出題は50問、制限時間は30分。時計を含む私物はロッカーに預け、試験室へ持ち込めるのは本人確認書類と飲料程度に限られます1。
紙の問題集で勉強してきた人にとっては、画面上で解いて即時に採点される形式に戸惑うこともあるでしょう。ただ、後から答えを見直せるのはCBTの利点でもあります。実際に受験した長澤宏樹氏の記録では、残り時間で前半の設問を見直して答えを修正したことが合否を分けたと振り返っています1。時間配分に不安があっても、まず全問に目を通し、最後に見直す余裕を残す戦略が有効だと言えそうです。
なお、合否は試験後にプロメトリックからメールで届くスコアレポートで確認します。表示されるのは「合格基準点以上」といった合否のみで、具体的な点数は記載されない仕様です1。
合格後の3ステップ:身体検査・証明書・DIPS申請
学科に受かってからが、本記事の本題です。ここで登場するのが、試験申込システムを運営する一般財団法人日本海事協会(ClassNK)です1。手続きは大きく3つに分かれます。
① 身体検査(書類で完結)
「身体検査」という名前ですが、会場で視力を測るような物理的な検査はありません。ClassNKのシステムで「公的な証明書等の提出」を選び、運転免許証の画像をアップロードして手数料5,200円を支払う流れです1。所要時間は10分弱で、数日(記録上は中2日)で色覚・視力・聴力・運動能力の4項目に合格判定が付きます1。運転免許証があれば、追加の受診なしで済むのは負担が軽いポイントです。
② 試験合格証明書の発行
次に、試験の合格証明書を申請します。こちらの手数料は0円。数営業日でPDFが発行され、この証明書が次のDIPS申請で必ず必要になる「鍵」となります1。
③ DIPS 2.0で技能証明の新規交付を申請
最後に、ドローン情報基盤システム「DIPS 2.0」で技能証明の新規交付を申請します。手元に用意するのは、②で得た合格証明書のPDFと、スクールで受け取る「無人航空機講習修了証明書」です。目視内の修了証と、目視外の限定変更の修了証を合わせて用意する必要があります1。DIPSにログイン後、「技能証明の取得申請」から「技能証明の新規交付」へ進み、書類をアップロードしていきます1。
手続きの「迷宮」をどう乗り切るか
ここで実務者目線の注意を一つ。試験に協力した受験者自身が、試験の難しさよりも各種申請の操作画面のわかりにくさに消耗したと明かしている点は、これから受ける人にとって見逃せない情報です1。
受験はプロメトリック、合否レポートもプロメトリック、次の申込はClassNK、そして最後はDIPSへ——と、複数の機関やシステムを自分で行き来しながら情報を移していく必要があります1。それぞれの段階で「次に進んでいいのか、まだ待つべきか」の判断材料が乏しく、マイページを何度も開き直すことになりがちです1。
対策として現実的なのは、①各システムのログイン情報を事前にまとめておく、②必要書類(合格証明書PDF・修了証明書)を早めにファイル化して手元に揃えておく、③処理待ちの期間があることを前提にスケジュールに余裕を持たせる、という3点です。焦って何度も操作し直すよりも、反映待ちの時間があると理解しておくだけで、精神的な消耗はかなり減らせます。
なお、手続きで不明点があれば、国土交通省の無人航空機ヘルプデスクに問い合わせできます。2026年8月3日9時より電話番号が 03-5539-0225 に変更され、受付は平日9時〜17時です2。
費用の目安と「取った後」の話
気になる総額ですが、記録によれば経験者ルートで、スクール受講料・目視外の限定変更・学科CBT・身体検査・登録免許税を合わせて約13万円台だったとされています1。スクールや限定変更の構成によって幅は出ますが、一つの目安になります。
そして忘れてはいけないのが、資格取得はゴールではなくスタートだという点です。2等取得者の進路は、空撮(広告・観光・不動産)、インフラ点検・保守、物流・配送、災害支援・公共サービス、農林業・測量の大きく5方向に広がっています1。ただし、いずれも「資格を持っている」だけで仕事が来るわけではなく、取得と仕事にする間には明確な壁がある——これは実際に取得した人の率直な実感です1。
まとめ
ドローン2等の学科試験に合格した後は、身体検査(書類提出・5,200円)、合格証明書の発行(無料)、DIPSでの新規交付申請という3ステップが待っています1。技術的な難しさより、複数システムをまたぐ事務手続きの煩雑さでつまずく人が多いのが実情です。事前に書類とスケジュールを整えておけば、この「最後の迷宮」はぐっと通り抜けやすくなります。
西濃ドローンアカデミーでは、修了証明書の準備からDIPS申請の流れまで、受講生が最後まで迷わないようサポートしています。「取って終わり」ではなく「取ってからどう動くか」まで見据えて、資格取得の一歩を踏み出していただければと思います。
情報リソース
- DRONE.jp/学科CBT・身体検査・DIPS申請——最後まで続く「手続きの迷宮」Vol.03 [長澤宏樹のドローン国家資格取得への道] — 取得日: 2026-08-20
- 国土交通省 航空局(無人航空機)/無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール — 取得日: 2026-08-20
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