大垣市・時地区の土砂災害ハザードマップ──最奥の集落「時山」から避難所までの距離を考える
大垣市の土砂災害ハザードマップによると、上石津地域の時地区は、下・長屋・湯谷・打上・堂之上・上・時山という自治会からなり、土石流・急傾斜地の警戒区域が指定されています。避難経路の一部は、その警戒区域の中を通ります。
この地区でまず目を引くのは、指定避難所が2箇所に分かれている点です。農村環境改善サブセンターと、えぼしふれあい会館。時連合の防災備蓄倉庫は、えぼしふれあい会館に置かれています。
そしてもう1つ。最奥の時山自治会だけは、集落内の「時山生活改善センター」に集合したうえで、そこから指定避難所(農村環境改善サブセンター)へ向かうという二段構えになっています。ハザードマップにも「至 指定避難所」と、集落の外へ向かう矢印が描かれています。つまり、避難所は集落の中にはないのです。
平常時の監視の重要度
時山のように、避難所までの距離がある集落では、「避難を始める時刻」が他より早くなければ間に合いません。移動に時間がかかるぶん、判断を前倒しする必要があります。
ところが判断を早めるには、早い段階の情報が要ります。「まだ大丈夫か」「もう動くべきか」を分けるのは、その日の雨量だけではなく、斜面がどういう状態でその雨を迎えたかです。前の週の雨で地面がすでに緩んでいれば、同じ雨量でも危険度は変わります。
だからこそ、災害が起きてからではなく、平常時からの継続的な観察が効いてきます。
遠隔ドローンの設置という選択肢
時地区のように、避難所が2箇所に分かれ、集落によって向かう先が違う地域では、「どの経路が通れるか」を経路ごとに把握する必要があります。
警戒区域の斜面と避難経路を、ドローンで定期的に自動巡回して記録しておけば、経路ごとの状態を同じ基準で比べられます。時山からサブセンターへ向かうあの道が、いま通れる状態にあるかどうか——災害時にその答えを持っているかどうかで、初動が変わります。
現地に人を常駐させることが難しい山間地域でも、無人の格納庫を設置しておけば、遠隔操作だけで上空からの確認ができます。
山越えの飛行訓練
時山は岐阜県の西の端、三重県境に近い山あいに位置します。市街地の拠点からは山を越えた先にあり、通常の近距離飛行とは条件が異なります。尾根越えのルート設計、電波が届きにくい区間の把握、通信が切れた場合の自動帰還先の設定——山越え飛行には固有の課題があります。
西濃ドローンでは、同じ上石津地域の一之瀬に拠点を置き、山間部の地形を想定した飛行訓練を重ねています。「電波がどこまで届くか」「往復の時間と電池は足りるか」を実測で確かめる作業を、いま進めているところです。
まとめ
時地区、とりわけ時山は、避難所までの距離そのものが災害リスクの一部になっている地域です。距離は縮められませんが、気づく時刻は早められます。その差を埋める手段のひとつとして、ドローンによる平常時監視をご検討ください。
避難経路の一部が土砂災害警戒区域を通っていることは、ハザードマップに明記されています。大雨のときに通るべきでない道を、平常時のうちに一度確認しておいてください。
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