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DJI Matrice 400の送電線フォロー機能とは?設定値と注意点を解説

送電線点検にドローンを使いたいが、「電線に沿って一定の距離で飛ばし続けるのが難しい」「撮る人によって画像の質がバラつく」と悩む現場は多いはずです。結論から言うと、DJI Matrice 400とZenmuse H30Tの「送電線フォロー機能」は、機体が搭載するLiDAR(レーザーで距離を測るセンサー)で送電線を自動認識し、一定の離隔とカメラ角度を保ちながら追従飛行を支援する機能です15。手動操縦の負担を減らし、誰が飛ばしても近い品質の画像を残せる点が最大の狙いだと、私は受け止めています。

本記事では、実機検証をもとに公開された設定値や注意点を、受講検討者・点検実務者の目線で整理します。

従来の送電線点検は「操縦者の腕」に左右されていた

これまでの送電線点検は、地上からの目視、ヘリコプターによる巡視、ドローンの手動飛行が主な手段でした1。ドローンは近づいて撮れる利点がある一方、たわんだ電線と一定の距離を保ちつつ、進行方向・ジンバル角度・ズーム倍率・ピントを同時に調整する必要があり、熟練の技術が求められます15

その結果、電線への接触リスクや、担当者ごとに撮影角度・倍率がばらつく「データの不均一」が課題として残っていました5。同じ設備を経年で比較したいときに、条件がそろわないのは実務では地味に困る問題です。

仕組み──LiDARが電線を捉えて自動追従する

送電線フォローは、Matrice 400のLiDARが送電線を検知し、設定した離隔距離とカメラ角度を維持したまま自動で追従する機能です15。操作はDJI Pilot 2上で対象の送電線を認識させ、飛行方向・速度・ズーム・距離などを決めてから撮影を開始する流れです1

Matrice 400は最大飛行時間59分、最大6kgのペイロードに対応し、回転式LiDARとミリ波レーダーで送電線レベルの障害物検知ができるプラットフォームです1。組み合わせるZenmuse H30Tのズームカメラは有効画素数40MPで、光学34倍・デジタル400倍に対応するため、距離を確保しながら碍子(がいし)や接続部を拡大して確認できます1

この機能はファームウェア更新で追加されたもので、2026年5月28日にH30シリーズ使用時の送電線フォローが加わり、6月16日の更新で6分割・8分割導体の選択にも対応しました1。利用前に機体・送信機・カメラを対応ファームウェアへ更新しておく点は忘れないようにしたいところです1

実務で効く「設定値」の目安

検証記事では、具体的な設定の目安が示されています。参考にすると導入時の試行錯誤が減るはずです。

  • 送電線までの離隔距離:5〜10mの範囲で設定5
  • カメラのピッチ角度:0度(真横)〜35度(斜め上)で調整可5
  • 検査速度:1m/sの低速を推奨(速すぎるとシャッターが追いつかない)5
  • 写真のオーバーラップ率:15%を保つようシステム側が自動制御5

さらに、ズーム倍率を上げるほど画像がブレやすくなるため、シャッタースピードとISO感度の確認が重要です5。ピントは一度合わせたらマニュアル(MF)に固定するのが安全で、オート(AF)のままだとカメラが真下を向いてピンボケになる可能性があると指摘されています5。自動追従中はスティック操作が無効化されるため、誤操作によるブレが生じにくいのも実務的な利点です5

見落としがちな注意点──電線の種類で検知が変わる

忘れてはいけないのが、電線の材質による検知性能の違いです。検証ではアルミ線(直径10.5mm)は小雨環境でも安定して自動検知・追従できた一方、黒い被覆線はLiDARでの検知が不安定になり、そもそも送電線として検知できないケースもありました5。対象設備の仕様を事前に確認しておくことが欠かせません。

また、点検データの三次元計測にはZenmuse L3の「Power Line Follow」もありますが、こちらは10kV以上の送電線・配電線向けに設計されており、低圧線や通信ケーブルは認識できない場合があります1。用途に応じて機能を使い分ける発想が必要です。

「撮った後」まで見据える──解析と記録の効率化

点検は撮影して終わりではなく、成果をどう整理・報告するかまでが仕事です。ここで関連するのが解析・管理ソフトの進化です。

測量・点検向けソフトのDJI Terraは2026年7月23日にv5.3.0へ更新され、サーマル画像から温度付きのオルソ画像を生成できるようになり、点群出力もLAS 1.4/LAZ 1.4形式に対応しました2。設備点検で異常箇所を広い画像上で把握しやすくなった点は現場向きの改善です2

また、遠隔運用向けクラウドのDJI FlightHub 2では、飛行記録と撮影動画を同期再生できる機能や、機体直下の地面からの高さ(対地高度)をグラフで確認できる機能が加わり、地表から150m未満という航空法上のルールを後から確認・証明しやすくなりました3。点検で「いつ・どこを・どう撮ったか」を残せる仕組みは、報告書の信頼性を高めます。

導入とサポート体制も確認したい

産業用ドローンは高機能ゆえに、初期設定や修理・点検の相談先が明確かどうかで運用の安心感が変わります。DJI製品を扱う正規代理店では、導入前相談から初期設定、運用支援、修理・点検までを一つの窓口で対応できる体制が案内されています4。特にファームウェア更新や機能追加が頻繁な産業機では、正確な情報に早くアクセスできることが実務では効いてきます4

まとめ

送電線フォロー機能は、手動操縦の難しさと「人による品質のばらつき」という長年の課題に、自動追従と設定値の統一で答える機能です15。とはいえ、自動飛行中も操縦者による監視と安全確認は必要で1、電線の材質による検知差など現場ごとの見極めも欠かせません5

機能を使いこなす前提となるのは、やはり安全な離着陸や周辺監視といった基本の操縦技術と、飛行記録を正しく残す運用習慣です。西濃ドローンアカデミーでは、国家資格の取得はもちろん、こうした実務に直結する運用の基礎までを一緒に学べます。点検業務への活用を考えている方は、機体選びと合わせて「運用の土台づくり」から検討してみてください。

情報リソース

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