前章までは、ドローンの定義や規則について解説してきました。ここから先も長く難しい法的ルールが続きます。ここでは、ドローンだけではなくドローンだけではなく航空機(いわゆる飛行機)の運航ルールや飛行、禁止空域をご紹介します。
|ドローンや航空機の運航ルールについて
ドローンは空中を飛行しますので、万一の場合にはとても重大な事故が起きることがあるかもしれません。
このことから、下記のルールが基本的にあります。
- 安全管理は最も重要
- 飛行機などから、ドローンを認識して避けることは難しい
- ドローンは飛行機より機動性があるのでドローンの方が飛行機を避けて、飛行機は進路権
次はドローンの操縦者は以下のことを行う必要性があります。
- 「ドローン情報基盤システム(飛行計画通報機能)」で飛行情報を共有する
- ドローンを飛ばす前に飛行機が確認できればドローンを飛ばさないなど、事前にわかる時は飛行させない
- ドローンを飛行させている時に飛行機が確認できたら、ドローンは地上に着陸させるなどの方法をとる
実際、ドローンと飛行機がニアミスしたことがあり、その結果、空港が閉鎖されることがありました。万一、飛行機に事故が起きてしまったら、甚大な被害が起きてしまいます。
飛行機と同じ空を共有しているドローン操縦者も、飛行機のルールを理解しておくことがとても重要です。それでは飛行機の前提やルールを見ていきましょう。
|計器飛行方式と有視界飛行方式の違い
飛行機が飛行する方式には2種類あります。
飛行方式 | 飛行方法 | 航空機 |
---|---|---|
計器飛行方式(IFR) | 航空管制機関が与える指示に常時従う | ・高速で高高度を移動する旅客機など
・VFR飛行ができない気象の場合 |
有視界飛行方式(VFR) | IFR以外の飛行方式 | 小型機や回転翼航空機など |
空港やその周りでは有視界飛行方式で飛行する航空機も空港管制機関の指示に従わなければなりません。
|飛行機の飛行高度
飛行機が150m以下で飛行する場合は離着陸の場合がほとんどです。しかし、警察・消防・防衛・海上保安庁の飛行機や緊急医療用ヘリコプターの捜索や救助で低空飛行をしている場合があります。
ドローンの操縦者はこのような場合があるかもしれないと気をつけていてください。
|飛行機はドローンを見つけられない
飛行機は常時、衝突などしないよう見張りをする義務があります。しかし飛行機側から小さなドローンを見つけるのはかなり難しいですよね。ドローン操縦者はそれを肝に銘じてぶつからないように注意して、飛行機を発見した場合には、ドローンを地上に着陸させてください。
|出発前情報の確認して
飛行機の機長は出発前に国土交通大臣からの航空情報を確認することが義務付けられています。
|飛行機の空域とは
ドローンは高度150m以上または空港周辺の飛行は原則禁止です。しかし、航空管制機関と安全な飛行ができる許可が降りれば飛行可能です。その上で以下の注意点に気をつけて、航空管制機関の指示を守る必要があります。
- 飛行機の管制区域とは
計器飛行方式で飛行する飛行機は航空交通管制区では航空管制機関と常に連絡を取り合い、指示に従って飛行しなければならない空域です。航空交通管制区は地表または水面から200m以上の高さで、そのうち国が指定した空域となります。また、航空交通管制圏は飛行機の離着陸が頻繁にある空港やその周りの空域を指し、全ての航空機が航空管制機関の指示に従って飛行の方法や順番を守らなくてはいけません。
- 空港の制限表面とは
空港周辺は安全のために障害物が無いようにしておかなければなりません。そのために制限表面という物を設定しています。
進入表面 | 進入の最終段階および離着陸時の航空機の安全のために必要な表面 |
水平表面 | 空港周辺で旋回飛行などの低空飛行の安全のために必要な表面 |
転移表面 | 進入をやり直し場合などの側面方向への飛行の安全のために必要な表面 |
さらに、東京・成田・中部・関西国際空港と政令空港で上記に加えて必要な表面
円錐表面 | 旋回半径が大きい大型または高速な飛行機が旋回飛行する時などに必要な表面 |
延長進入表面 | 精密進入方式での飛行機の最終直線進入のために必要な表面 |
外側水平表面 | 飛行機が最終直線進入の行うまでに必要な表面 |
飛行機の空域とはこれらになります。
|模型飛行機に対する規制とは
重量100g未満の模型航空機が飛行機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為をすることは航空法で規制されています。
- 模型飛行機の飛行禁止空域
航空交通管制圏、航空交通情報圏、航空交通管制区内の特別管制空域などにおける模型飛行機の飛行は禁止されています。
また、災害発生時に緊急用務空域が設定された空域の飛行も禁止です。
- 事前届出がないと飛行できない空域
飛行禁止以外の空域は、空港の周辺では高度150m以上、それ以外では250m以上の空域で国土交通省への事前の届出が必要になります。
|ドローン機体の登録制度について(3.1.2航空法に関する各論)
ドローンの機体は登録が必要
ドローンの機体は以下のような理由から登録が必要です。
- 事故を起こしたときの持ち主の把握
- 事故を起こしたときの原因究明
- 問題の機体の登録を拒否する
ことで安全を確保しています。
ドローンの登録制度について
重量100g以上のドローンは国の登録が必要です。有効期限は3年で登録記号を機体に表示し、リモートID機能をつけなければなりません。
登録できないドローン
以下のドローンは国の登録ができないドローンになります。
- 事故多発機体やリコールしている機体など
- 表面に突起物があり、人などに衝突したときに危ないドローン
- 遠隔操作や自動操縦の制御ができないドローン
当たり前のことですが、登録できなければドローンを飛ばすことはできません。
登録の手続きと登録記号の表示
ドローンの登録を申請し登録記号が発行されたら、確認しやすいように登録記号を機体に表示しなければいけません。その表示ルールについてお伝えします。
- 機体の取り外しできない場所に表示する
- 耐久性のある方法で鮮明に表示する
- 重量25kg以上の機体は25mm以上の文字の高さ
- 重量25kg未満の機体は3mm以上の文字の高さ
わかりやすいように機体の地色とは違う色ではっきりと見やすい色にしましょう。
名前や住所に変更があれば変更届が必要です。さらに、3年ごとに更新も必要です。
リモートID機能の義務
ドローンには識別情報を電波で遠隔発進するリモートID機能を機体に備えておかなければいけません。
リモートID機器とは?
リモートID機能とは識別情報を電波で遠隔発信するもので、内臓型と外付型があります。
リモートID機能で発信される情報は以下の情報です。
静的情報 | 登録記号・製造番号 |
動的情報 | 位置・速度・高度・時刻 |
これらの情報は1秒に一回発信されます。
リモートIDの搭載が免除される場合
- 無人航空機の登録制度の事前登録期間中に登録したドローン
- あらかじめ国に届けたリモートID特定区域だけを飛行する場合。(補助する人など必要な措置をが必要です。)
- 紐で係留して飛行する場合
- 警察庁や警察、海上保安庁が警備や業務を行う場合。
ここまで、ドローンではなく航空機(いわゆる飛行機)のルールをご紹介しました。ドローンを飛行させるには飛行機のルールも知っておく必要がありますので、しっかり理解しておきましょう。
また、新しく機体を購入した方は、登録記号とリモートIDを表示・搭載しなければいけませんが、その表示方法や搭載にも細かなルールがありますので、きちんと確認してからください。